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フッ化物とはなんでしょうか?
一般的に、〜化物というのは水に溶けると陰イオンを生ずる無機化合物のことです。フッ素の無機化合物(例えば、フッ化ナトリウム)が水に溶けると陰イオンであるフッ化物イオンが生じるのでフッ素の無機化合物はフッ化物といいます。
フッ化物イオンは、歯の発育期に採取されることによる全身作用や、萌出後の歯に対する局所作用によって虫歯を予防する天然のイオンです。いわば、フッ化物は自然の恵みと言えます。
フッ素元素は地球の地殻で17番目に多い元素です。フッ素元素は他の元素と結合した形のフッ化物として存在しています。
このフッ化物は岩や土壌のミネラル成分です。水が岩石を通過する時、こうしたフッ化物を溶かしフッ化物イオンを作り出します。
その結果、少量の溶解したフッ化物イオンは海水を含めてすべての水中に存在します。またフッ化物はすべての食物をすべての清涼飲料水にも存在しますが、その濃度はさまざまです。
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フッ化物はどのようにしてむし歯を予防するのでしょうか?
フッ化物がむし歯予防に有効な理由は大きく2つあります。1つは歯そのものに対する作用(下記のa)であり、もう1つは歯の周囲の環境としての作用(下記のbとc)です。
  1. エナメル質結晶の安定化作用

  2. 歯の表面はエナメル質という水晶よりも硬い組織で覆われていますが、その構造はハイドロキシアパタイトという燐酸カルシウムの結晶です。結晶構造に欠陥部分があるとフッ化物はエナメル質に作用してその欠陥部分を修復したり、酸に溶けにくいフルオロアパタイトというフッ素元素を含む結晶を生成します。結果的にエナメル質の酸に対する抵抗性を増強し、むし歯を予防します。
  3. 再石灰化促進作用

  4. むし歯はエナメル質に付着したプラ−ク(歯垢)の中でつくられた酸が、エナメル質中のカルシウムイオン(Ca2+)やリン酸イオン(PO43-)を溶解することで始まりますが、この現象を脱灰といいます。初期の脱灰はエナメル質の表層より少し下から始まるため、ある時期までは表層が残り、一見すると正常であり、ただ白い斑点が生じたように見えます。ところが、その下では脱灰が進行して空洞が大きくなり、食事などの外圧によって最表層が陥没して穴があくのです。こうなると口腔細菌の感染が起こり立派にむし歯です。しかし、表層のエナメル質が残っているまだ感染していない初期の脱灰の状態では、カルシウムイオンやリン酸イオンが豊富な唾液などが作用して、脱灰によるカルシウムイオンやリン酸イオンを元の状態にもどす作用が期待できます。この現象を再石灰化といいますが、歯の周囲の唾液などに存在しているフッ化物は、この再石灰化を促進する作用をもっているのです。
  5. プラーク細菌に対する抗菌作用

  6. フッ化物は、プラーク中に生息しているむし歯の原因菌の酵素の働きを阻害したり、酸を産生する能力を抑制してむし歯を予防します。

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自然界にフッ化物はどれくらい存在しているのでしょうか?また、自然界のフッ化物とむし歯予防に使用するフッ化物は同じものでしょうか?
フッ化物は火山活動の結果生じるマグマに由来しているため、地球上のあらゆる場所に存在しています。したがって、岩石中にはフッ化物として平均100〜1,000ppm(0.1〜1.0g/圈法海水中には1.3ppm(1.3/l)、そして地表水中には0.01〜0.3ppm程度存在しています。ちなみに、水道水フッ化物濃度調整(水道水フッ化物添加、水道水フッ化物濃度適正化、水道水フッ化物濃度調整)による水道水フッ化物濃度は海水のフッ化物濃度より少し低い1.0ppm前後に調整されます。(わが国では,水道法によって0.8ppm以下に制限される)。むし歯予防によく用いられるフッ化ナトリウム(NaF)は、天然の岩石であるホタル石や氷晶石から精製されるものですから自然のフッ化物そのものです。

存在場所 フッ化物濃度
岩石 100〜1,000ppm(0.1〜1.0g/圈
海水 1.3ppm(1.3/l)
地表水 0.01〜0.3ppm(0.01〜0.3/l)


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体内に入ったフッ化物はどうなるのでしょうか?
口から摂取した食品などの固形物に含まれるフッ化物は吸収され難いものが多く、腸を通って糞便として排泄されます。水溶性のものは吸収率が高く、主に胃・小腸で吸収が行われ、歯や骨などの組織に沈着するもの以外はほとんどが尿として排泄されます。
  成人の場合、摂取されたフッ化物の90 %以上は糞や尿を中心に、残りは汗や唾液などから体外に排泄されます。排泄されなかったフッ化物は、血液を介して体内の硬組織(骨・歯など)や軟組織に移行しますが、軟組織にはほとんど沈着しません。また、いったん骨などに沈着したフッ化物も永久的に蓄積するのではなく、骨の代謝と共に血中に戻り、尿中に排泄されます。
  しかし、小児の場合は、骨の成長や歯の形成など発育過程で生体がフッ化物を必要とするため、吸収されたフッ化物の40%ぐらいが血液を介して生体に利用されます。
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食品にフッ化物はどれくらい含まれているのでしょうか?また、むし歯を予防するには毎日どれくらいのフッ化物が必要なのでしょうか?
フッ化物は、ほとんど全ての食品に自然に含まれています。
  主なものを表に示します。
食品 フッ化物濃度ppm(/圈
穀類 0.1〜2.5
豆類 0.5〜3
肉類 0.3〜2
野菜類 0.1〜1
果実類 0.1〜1

むし歯予防に使用されるフッ化物の適量は年齢や体重により異なりますが、米国政府の食品栄養局では、歯の健康を保つために必要なフッ化物の1日当たりの適正摂取量を体重1堙たり0.05咾箸靴討い泙后
また、健康に悪影響を及ぼすことのない1日の摂取許容上限レベルは、小児から8歳までが体重1堙たり0.10咾如△修谿幣紂■杭舒幣紊稜齢の子どもや成人では、歯のフッ素症の心配がないので体重に関わらず1日10咾箸靴討い泙后
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フッ化物は必須栄養素なのでしょうか?
はい、WHOなどの専門機関はフッ化物を必須栄養素として位置付けています。われわれが健康な生活を維持していくためには三大栄養素〔タンパク質、脂質、糖質〕と微量栄養素〔ビタミン類、無機元素類(ミネラル)〕が必要です。
  WHO(世界保健機関)とFAO(食糧農業機関)は、1974年に「ヒトの栄養所要量の手引書」の中で、フッ化物を必須栄養素として位置づけ世界各国に紹介しています。
  また、身体を構成する元素の存在量により、主要元素と、微量元素に分類されます。この微量元素のうち、生命と健康の維持に欠かすことのできない元素で必ず摂取しなければならないものを必須微量元素といいます。フッ化物は多分必須微量栄養素であると考えられています。
  「多分」という不確かな言葉がつく理由は次のようなものです。フッ化物はすべての自然の原材料による飲食品に含まれているため、ヒトにフッ化物の完全欠乏症が生じることはありません。フッ化物は自然界に広く分布し、われわれが日常的に摂取しているすべての飲食物に含まれているため、好むと好まざるとを問わず、まったく摂取しないというのは不可能なのです。仮にフッ化物をまったく含まない食事で生活した場合には、生命の円滑な活動は損なわれ、特に歯や骨の健康を中心に健康が破綻すると考えられています。
  一方、哺乳類にフッ化物欠乏食を与え続けると、成長が阻害されたり、寿命が短くなるという実験結果があります。哺乳類を用いた実験によって必須性が証明されたことから、「多分」をつけた「必須微量栄養素」を用いているのです。
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フッ化物はどういうものなのでしょうか?食品に含まれているところをみると、カルシウムなどと同じと考えていいのでしょうか?
フッ素(F)は、カルシウム(Ca)や鉄(Fe)、炭素(C)、酸素(O)などと同じく元素です。
  元素は地球上に約100種類ほどありますが、その中でもフッ素は多い方で、土壌中には200〜300ppm、海洋中には1.3ppmで14番目に多い元素となっています。当然ながら、そこからとれる野菜、果物、魚介類などには自然に含まれています。その他、肉、お茶、塩、ビールなど、あらゆる飲料物がフッ化物を含んでおり、それらを食べたり飲んだりしている私たちの身体の中にもフッ化物は取り込まれ、体の構成要素にもなっています。特にカルシウムと仲がよく、カルシウム成分の多い骨や歯に多く含まれています。身体全体で平均すると、体重1キログラム当り42.8咫福42.8ppm)のフッ化物が含まれていることになります。
  カルシウムでもフッ化物でも、量が多すぎれば害作用が現れ、少なすぎても有害な影響が出てきます。フッ化物でも、カルシウムと同じように適当な量を摂取することによって健康が維持出来る栄要素の一つと考えられ、とくに成長期の子供にとっての歯や骨の栄養素と位置づけられています。
  アメリカ栄養士会では1995年に引き続き、1998年にも重要な健康増進手段として水道水フッ化物濃度調整を含めて、全身的及び局所的なフッ化物を使用するよう推奨する見解を表明し米国下院で承認されています。わが国では、フッ化物は必須栄養素として摂取基準値は設定されていませんが、フッ化物を含んでいても1日あたりの摂取量が4唹焚爾任△譴弌⊃品として取り扱うことが出来ます。一方、「必須栄養素」とは生物の生存に不可欠のものと定義した場合、そのような証明が出来ていないことから、「有益元素」との呼び方(米国公衆衛生局)もあります。フッ化物があらゆる食品に普遍的に存在し、動物が生存できない程度の低フッ化物食品が作れないためです。
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フッ化物利用によって歯が強くなるということは、骨も強くなるのでしょうか?
フッ化物療法によって骨密度が増すことは確かめられています。また、適正なフッ化物濃度飲料水を使用している人に骨折が少ないということが最近の疫学研究で分かりました。
  つい最近になるまで、水道水フッ化物濃度調整を行っている地域と行っていない地域での比較で、骨密度や骨折の頻度に有意な差を確認できませんでした。しかし、高齢者で骨の弱くなった者を対象とした治療的フッ化物療法では、以下のように骨を強くできるとの報告があります。
  1)骨の強化と骨折の予防におけるフッ化物の役割についてADA(アメリカ歯科医師会)は「水道水フッ化物濃度調整ファクト」の中で以下のように述べています。
  この30年間、骨粗鬆症の治療の実験療法として、主に徐放性のフッ化ナトリウムによるフッ化物が用いられてきました。フッ化ナトリウム療法はフッ化物に骨の喪失を減らしたり、現存の骨量を増やしたり、また、骨折を予防する作用があるために用いられてきました。臨床試験の結果は、次に示す2つの調査が示しているように結果は一定ではなく、さらなる調査の必要性が示唆されます。
  1995年、4年間の臨床試験の最終報告で、フッ化物には骨量の増加を助ける働きがあることがわかりました。この調査は、閉経後の骨粗鬆症の女性で徐放性のフッ化ナトリウム(1日2回25單衢拭砲肇エン酸カルシウム(1日2回400單衢拭砲鬘看間(12ヶ月治療を受け、2ヶ月は治療を受けないという)14ヶ月サイクルで摂取を繰り返してきた人たちの結果です。この結果この治療は安全で、新たな脊椎骨骨折を減らし、脊椎骨の骨量の増加に効果があるという結論を得ました。
  50人の閉経後の女性における6年間の臨床試験では、フッ化ナトリウムとカルシウムの補足治療は骨粗鬆症の治療に効果が無かったようです。
  2)2001年にコクランライブラリーに登録されたフッ化物療法が閉経後の女性の骨密度、椎骨ならびに椎骨以外の骨折、副作用にどのような効果をもたらすかについてのシステマティックレビュー(全世界の論文を収集し、科学的にそれらの論文を批判的吟味した結果のまとめ)でも以下のような結論を出しています。フッ化物療法によって腰椎の骨密度が増加しますが、腰椎の骨折率は変わらないようです。フッ化物の用量を増加させると椎骨以外の骨の骨折率と胃腸の副作用が増加しますので、適量の摂取が必要です。
  ところが最近になってきわめて重要な所見が示されました。すなわち、適正フッ化物濃度飲料水を使用している人に骨折が少ないということが最近の大規模な疫学研究で分かったのです。
  最近、2001年に発表された整形外科領域の疫学研究論文で、種々のフッ化物濃度の飲料水を少なくとも25年以上常用してきた50歳以上の高齢者8,266人の骨折に関する研究結果が発表されたのです。それによると、フッ化物濃度の低すぎる飲料水や反対に高すぎる飲料水を常用してきた人では骨折頻度が高く、フッ化物濃度約1ppmの飲料水を常用してきた人で骨折頻度が最も低いことが判明したのです。ここで大切なことはフッ化物濃度1ppmというのはむし歯予防で最も効果的な濃度とされてきた濃度です。すなわち、歯を強くするフッ化物濃度の飲料水は骨も強くするということです。
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日本人のフッ化物の1日許容摂取量は何咾如△修琉汰肝未呂匹譴らいなのでしょうか?
歯のフッ素症や骨フッ素症などの慢性の副作用を生じることのない許容摂取上限値は、1〜3歳で1.3咫■粥腺減个2.2咫■杭舒幣紊10咾任后また、副作用を生じることなく最大のむし歯予防を発揮するフッ化物の適正摂取量は体重1圓△燭蝪影に0.05咾箸覆辰討い泙后
  参考値として、アメリカの医学研究所食品栄養局(Food and Nutrition Board of the Institute of Medicine)が1997年に発表した栄養所要量があります。これによれば、集団の97〜98%において歯のフッ素症や慢性の副作用を生じることのない許容摂取上限値は、1〜3歳で1.3咫■粥腺減个2.2咫■杭舒幣紊10咾任后また、副作用を生じることなく最大のむし歯予防を発揮するフッ化物の適正摂取量は1日に0.05/体重1圓箸覆辰討い泙后これによると体重65圓寮人男性では3.25咾適正摂取量であり、過去において報告されている日本人のフッ化物摂取量(およそ0.48〜2.8咫砲肋ないといえます。
  水分摂取量や食物からのフッ化物の摂取量には個人差がありますが、安全性が問題になることはありません。
  アメリカ医学研究所食品栄養局によるフッ化物の適正摂取量は1日0.05/圓任垢ら、体重65圓寮人では3.25咾箸覆蠅泙后また、1日の摂取量の上限値は成人で10咾箸覆辰討い泙后F本人では食品による1日のフッ化物摂取量が0.4〜1.8咾箸気譴討い泙垢ら、0.8ppmに調整された水道水を1日1.5リットル飲んでもフッ化物の総摂取量は1.6〜3.0咾箸覆蝓他の飲食物からの摂取量に多少の差があっても上限値を超えるものではなく、問題はありません。
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フッ化物によるむし歯予防はいつ頃から始まったのでしょうか?
水道水フッ化物濃度調整の歴史が最も古く、米国およびカナダにおいて1945 年に始められ、すでに60年になろうとしています。
  フッ化物歯面塗布、フッ化物洗口、フッ化物配合歯磨剤という局所応用もその数年後から開始されていますので、むし歯予防のためのフッ化物応用としては、すでに半世紀以上が経過したといえます。ところが、歯科界がフッ化物と出会ったのはさらに古く、1900年代初頭にイタリアのナポリ付近でフッ素症歯(斑状歯)と呼ばれる歯が集団的に発見されたのがきっかけでした。それから間もなくして、アメリカのコロラドスプリングスでも、Mckayという歯科医師がほとんどの地域住民にフッ素症歯が認められることに気付いて調査をしました。その結果、飲料水に含まれるフッ化物が原因でフッ素症歯が発症することが分かり、その当時は、フッ化物は歯にとって有害なものとみなされていました。ところが、一方では、フッ素症歯はむし歯にかかりにくいことも判明し、適量であれば歯にとって有益であることがわかりました。その後の様々な調査や研究から、フッ化物によるむし歯予防効果が確認され、1940年代にはアメリカとカナダにおける水道水フッ化物濃度調整計画によるむし歯予防が開始され、その効果と安全性が証明されました。現在では、世界中の多くの国々と地域において、様々な種類のフッ化物応用が実践され、むし歯予防に貢献しています。
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