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フッ化物によるむし歯予防手段にはどのようなものがあるのでしょうか?
大きく分けると2 つあります。1つは、水道水フッ化物濃度調整、フッ化物添加食塩、フッ化物添加ミルク、フッ化物補給剤(錠剤や液剤)という方法で、フッ化物を摂取する全身的応用法です。もう1つは、フッ化物歯面塗布、フッ化物洗口、フッ化物配合歯磨剤という方法で、フッ化物を歯に直接適用する局所的応用法です。これらを組み合わせて応用することが推奨されています。
  このうち、地域などで集団的に応用する公衆衛生的方法には、水道水フッ化物濃度調整や学校などでおこなうフッ化物洗口が適しています。歯科診療所では歯科医師や歯科衛生士という専門家が行うフッ化物歯面塗布が、家庭では集団でのフッ化物洗口が応用されていない場合の個人応用としてのフッ化物洗口や、最も手軽で普及しているフッ化物配合歯磨剤を用いた歯口清掃などが適しています。他に、日本では販売されていませんが、諸外国では日常の食事で使用する食塩やミルクへのフッ化物添加やフッ化物補給剤としてのフッ化物錠剤なども利用されています。
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いろいろなフッ化物応用法を組み合わせることは有効なのでしょうか?
はい、いろいろなフッ化物応用法を組み合わせることは有効です。
  日常的にフッ化物配合歯磨剤を使用し、毎週学校でのフッ化物洗口法を実施することは実際的です。また、水道水フッ化物濃度調整を実施している地区で、フッ化物配合歯磨剤を使用することによる加算的効果も確認されています。また、特にう蝕リスクの高い人の場合、それらの方法に加えフッ化物歯面塗布を併用することも勧められます。1つの方法だけではフッ化物の利益を完全に得ることが出来ないからです。しかし、2つ以上の全身応用法を併用することはフッ化物の摂取量が過量になるので避けなければなりません。水道水フッ化物濃度調整、食塩のフッ化物添加、フッ化物錠剤やドロップ(滴下剤)等、いずれか1つの全身応用法を選択します。また、それら全身応用法が普及している国々では、費用や手間の面から、学校施設単位でのフッ化物洗口法は行われない傾向にあります。
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フッ化物応用の際に歯口清掃は不可欠なのでしょうか?
いいえ、フッ化物応用に際し、歯口清掃は必ずしも不可欠な前処置とはいえません。フッ化物のむし歯予防率は、歯垢があってもないときと同様であり有効です。
  清掃が困難な歯面、隣接面や咬合面においてもフッ化物による効果は確認されています。応用されたフッ化物は、速やかに歯垢中にしみ込んで多くはフッ化カルシウムとして貯蔵され、甘い物を飲食などで歯垢中の環境が酸性に傾き、う蝕リスクが高くなると、歯垢中のフッ化カルシウムは解離してフッ化物イオンとなり、フッ化物によるう蝕予防のメカニズムが活発になるからです。しかし、う蝕の発生はフッ化物の作用が大きいか小さいかだけで決まるものではありません。う蝕は歯垢の付着した歯面において発生するものであり、歯口清掃はフッ化物応用と合わせて歯科保健指導の際に組み合わせておこなうことが勧められています。
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フッ化物でむし歯にならないのはどうしてですか?コーティングされているのでしょうか?
フッ化物の主な作用はエナメル質の表層での「脱灰―再石灰化」作用に関与しています。歯の表面からカルシウムやリン酸が溶け出してむし歯になりやすい状態の時(脱灰が起こっている時)フッ化物があるとカルシウムやリン酸がすみやかに歯の表面に沈着(再石灰化)し、初期むし歯への前駆的変化(脱灰)がすすみにくくなります。
  また、歯が顎の中で作られる時(永久歯では8歳ぐらいまで)に適量のフッ化物を摂取していると、歯の構造の中にフルオロアパタイトというフッ化物を含んだ結晶ができて、むし歯に対して抵抗力のある丈夫な歯になります。さらに、微量のフッ化物には殺菌作用はほとんどありませんが、歯の表面の歯垢の中にフッ化物が高い濃度で含まれる場合(水道水フッ化物濃度調整(1ppm)でも歯垢中のフッ化物濃度は数十ppmになることが知られています)、歯垢中の細菌の活動を抑制し、むし歯の原因になる細菌による酸の産生を抑えます。
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フッ化物が足りないからむし歯になるのでしょうか?
フッ化物量が不足すると、むし歯の発生リスクが上昇します。
  一般に、細菌性疾病に罹る原因としては病原菌の作用、宿主要因(人の免疫などの抵抗力)及び環境要因の3つで説明されます。
  むし歯の発生は、むし歯原因菌の存在が必要条件(病原菌の作用)となり、発生のための十分条件となる歯の感受性(歯のむし歯への罹り易さ)と唾液の性質にかかわる条件(宿主要因)、またむし歯菌のエネルギー源となる砂糖類の存在にかかわる条件(環境要因)によって決まってきます。その点フッ化物は、主に宿主要因として歯の感受性や唾液の性質の条件に関わり、フッ化物の存在によってむし歯発生の感受性を低下させる働きをします。そのようなことから、飲料水中のフッ化物の量が不足すれば、むし歯の発生を抑制できる条件が低下します。元来、生体での石灰化にはフッ化物の存在は不可欠であり、この点からみればフッ化物が足りないことがむし歯になる原因といえるのです。
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同じむし歯予防なのに、フッ化物スプレーは100ppm、フッ化物洗口では毎日法で225ppmと週1回法で900ppm、フッ化物配合歯磨剤では1000ppm、フッ化物塗布で9000ppm、水道水フッ化物濃度調整では約1ppmというふうに、なぜフッ化物の濃度が異なるのでしょうか?何がどんなふうに作用して、むし歯を防ぐのか、そのメカニズムを教えて下さい。
この質問は二つに分けられます。一つはフッ化物イオンの濃度の違い、もう一つはフッ化物の作用機序(メカニズム)です。
1)フッ化物イオン濃度とその使い分け
  フッ化物イオン濃度と応用法の関係は表のようになります。基本的には、使用回数が少ないものが高濃度、使用回数が多いものが低濃度になっています。また、全身的応用法(例:水道水フッ化物濃度調整)では低濃度、塗布法などの局所応用法で高濃度、洗口(うがい)はその中間的濃度になっています。
  そもそもう蝕予防のためのフッ化物応用は、自然の飲料水中に存在していたあるフッ化物濃度(約1ppm)のとき、そこに住む人々のう蝕が最も少なくフッ素症歯などの有害作用がないという疫学調査の結果を基に水道水フッ化物調整が開発されたことからも分かるように、全てのフッ化物応用法は、その至適濃度での人のフッ化物摂取量を基にして開発されたものです。このことからも分かるように、フッ化物の応用法としては、低濃度のものを頻回に使用するものがより自然であり、安全であり効果的で、この点からも水道水フッ化物濃度調整は最も好ましい方法とされています。

方法 回  数 濃度(1ppmとは1リットルに1咾稜仕拊碓漫
塗    布 年に数回 9000ppm
歯 磨 き 剤 毎  日 1000ppm
洗口(うがい) 週 一 回 900ppm
週2、3回 500ppm
毎 日 200ppm
ス プ レ ー 適 時 100ppm
飲 料 水 常  時 約1ppm(日本では0.8ppm以下)

2)フッ化物のむし歯予防作用(メカニズム)
  フッ化物のむし歯予防作用は大きく分けて次の三つに考えられます。これらはフッ化物応用法には関係のない共通の働きです。
〇世鵬鬚韻砲い丈夫な歯を作る働き
  むし歯を発生させる細菌は砂糖などの糖類 (炭水化物)を利用して酸を作り歯を溶かして感染し、虫歯をつくります。顎の中で歯ができつつあるときも、また萌出後でも、フッ化物は酸に強い歯を作り、丈夫な歯にします。
⊇藉むし歯を修復する働き
  フッ化物はむし歯の前駆状態である脱灰部位を修復する働きがあり、これは初期むし歯を修復すると言い換えてもいいかもしれません。
むし歯菌の作用を抑える働き
  高濃度のフッ化物はむし歯細菌の働きを抑える働きがあります。むし歯細菌の生息場所である歯垢中ではカルシウムが多いためフッ化物濃度が高くなる傾向があります。最もフッ化物濃度が低い水道水フッ化物調整でも、歯垢中では数十ppmという高いフッ化物濃度になることが知られています。
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フッ化物を摂り過ぎた場合にどのような害があるのでしょうか?
いかなる薬や物質あるいは必須栄養素であっても、過剰に摂り過ぎれば生体にとって有害になります。フッ化物についても同じであり、摂り過ぎた場合には有害な作用があります。
  その顕著な例として中毒について考えると、慢性中毒と急性中毒の2種類に分けられます。
  慢性中毒あるいはその後遺症として、多くは天然の高いフッ化物濃度の飲料水を日常的に長期間飲用しつづけた場合に現れるもので、骨フッ素症と歯のフッ素症が知られています。
  骨フッ素症はフッ化物の粉塵やガスにさらされている工員や、自然の高濃度のフッ化物飲料水(6〜8ppm以上)地域に長年(10〜20年以上)居住していた住民の一部にみられるもので、骨密度の増加が脊椎骨から他の骨群に現れてくる病態を示すものです。骨硬化症とも呼ばれ、症度の高いものは、すべての骨群の骨硬化と靭帯の石灰化ならびに骨の異常突出がみられるもので、かつては運動障害性の骨フッ素症の例が知られていました。現在でもインドでは牛などの家畜にみられるとの報告があります。
  歯のフッ素症は、あるレベル(2ppm)以上の自然のフッ化物飲料水を歯の石灰化期(満8歳まで)に長期間摂取した場合に生じるもので、歯(とくにエナメル質)の形成障害という組織異常を特徴としています。飲料水のフッ化物濃度に応じて、審美的にも全く問題がなく専門家でなければ見分けられないようなごく軽度のものから、歯のエナメル質の一部が欠けて、茶などの渋が付着して褐色の醜い重度のものまであります。
  水道水フッ化物濃度調整をはじめとするフッ化物の全身応用により、フッ化物摂取が多くなりすぎていないかを監視するには、歯のフッ素症の発現程度を調べればわかります。アメリカやカナダなどでは、水道水フッ化物濃度調整に重ねていくつものフッ化物応用が行なわれ、それによって、歯のフッ素症が増加しているという報告があります。そのほとんどはごく軽度の症状で審美的にも問題にならない程度のものですが、それらの国々では、原因として幼児がフッ化物配合歯磨剤を食べることが指摘されており、歯磨剤は食べないようにという指導がなされています。
  急性中毒は、フッ化ナトリウムとでんぷんをとり違えて料理に使用したというような事故などで多量のフッ化物を誤って一度に摂取した場合に起こったことがあります。このような場合の急性中毒では、悪心、おう吐、下痢という症状が現れます。多量のフッ化物を摂取した場合には、すぐにおう吐させたり牛乳を飲ませるといった応急処置を行い、直ちに医師に診察してもらう必要があります。
  ただし、急性中毒は、通常のむし歯予防でのフッ化物の使用とは関係のないことです。誤って1回分のフッ化物洗口液を全部飲んだとか、歯ブラシにつけたフッ化物配合歯磨剤を飲み込んでも中毒は起こりません。フッ化物の急性中毒の発現閾値は体重圓△燭蝪記咾箸いΔ里現在の国際的な基準になっています。これによれば、4から6歳児の体重が20圓箸垢譴弌急性中毒の発現閾値はフッ化物量100咾任△蝓△海譴亘萋法の5啝藩僂離侫嘆淑洗口法では一度に80人分から100人分の洗口液を一度に飲み込んだことに相当します。明らかに、急性中毒は、通常のむし歯予防でのフッ化物の使用とは関係のないことです。
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大気、水および食品から摂取するフッ化物の総量は、健康に危険を及ぼす事はないのでしょうか?
大気、水および食品から摂取するフッ化物の総量は、フッ化物応用を行っていない地域はもちろん、適切な方法と組合せでフッ化物応用がなされている地域では健康に危険を及ぼすようなことはありません。
  ほとんどの地域における大気中のフッ化物は非常に低く、問題のないものです。ただし、特殊なケースとして、アルミニウム精錬工場などフッ化物系ガスを排出する場所で働く人たちは、環境中のフッ化物濃度の管理に注意する必要があります。
  またフッ化物濃度調整した水道水を摂取していても問題はありません。ただし、井戸水には、自然のままで高濃度のフッ化物を含むものもありますから、飲用や調理に使用する場合は水質検査を行うことが必要です。
  食品のうち、日本の食生活によく用いられる海産物には比較的高濃度のフッ化物が含まれています。また海水にはフッ化物が含まれているため、天然塩にはフッ化物が高濃度に含まれています。ただし、魚介類を多く食べるケースであっても、フッ化物を多く含む殻やうろこ、骨まで食べるわけではありません。
  現在日本で用いられている食塩の多くは化学的に製造されフッ化物濃度の低いものが主流です。従って食品全体でみるとフッ化物の摂取量は他の国々と変わりません。
  以上を総合すると、大気、水および食品から摂取するフッ化物の総量は、適切な方法でフッ化物応用されている地域では、保健上問題がないという結論になります。食品から摂取するフッ化物は生物学的利用能が低く、生体への生理的作用が弱いので、ほとんど問題になりません。常に問題となるのは飲用水ということになります。自然のままの多くの飲用水はフッ化物濃度が低過ぎるか、または高すぎるのです。この点からも水道水はフッ化物調整をするのが優れた環境対策となるのです。
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フッ化物は海水にも含まれているそうですが、魚を食べる人間の体内で濃縮される事はないのでしょうか?
人間の体内で濃縮されるようなことはありません。
  海水には、1リットル当たり1.3咾離侫嘆淑が含まれていますので、フッ化物濃度としては1.3ppmになります。
  海水のフッ化物濃度のほうが、水道水フッ化物濃度調整のフッ化物濃度(0.7〜1.2ppm)よりやや高いのですが、魚などの生態系に異常を及ぼすものではありません。海水のフッ化物濃度は非常に安定しています。たとえば、日本で一番長い信濃川は1日の流量は6,089万トン、そのフッ化物濃度は約0.1ppmですから一日でおよそ6トンのフッ化物が日本海に流入している計算になります。ところが、海には自然の平衡能が備わっていて、海水のフッ化物濃度が変動することはありません。少なくとも6億年以前から海水のフッ化物濃度1.3ppmに変化はないのです。
  また、魚や海藻などの海産物のフッ化物濃度は比較的高く、これらの食品を多く摂取すれば、同時にフッ化物も多く摂取されることになります。ところが、摂取された食品成分のすべてを生体が利用するわけではありません。生体が利用できるのは、摂取された食品のうち胃や腸で吸収される成分だけです。しかも、フッ化物は主に魚の骨やエビの殻に多く含まれますので、もともと食べないか、摂取したとしても、吸収率が低いため大便中に排泄されてしまいます。こうした食品中のフッ化物はいわゆる生物学的利用能が低いのです。
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フッ化物は人間の骨格系に年齢と共に濃縮されると聞きましたが本当でしょうか?骨折が増えることはないのでしょうか?
人の骨格系のフッ化物濃度は年齢の上昇と共に高くなります。しかし、それはむし歯予防でフッ化物を使用するかしないかに関わらず起こる自然現象であり、生理的な変化とされています。また、適正フッ化物濃度飲料水を使用している人に骨折が少ないということが最近の研究で分かりました。
  吸収されたフッ化物は主として骨格系に移行し、年齢と共に骨中のフッ化物濃度は上昇します。しかし、極端に濃度の高いフッ化物飲料水を常用しない限り、骨格系の健康には問題は生じないのです。すなわち年齢の上昇にしたがって骨のフッ化物濃度が高くなるのは生理的な現象として解釈されているのです。
  それどころか、最近、2001年に発表された米国国立衛生研究所(NIH)が援助した整形外科領域の研究論文で、フッ化物の人工的な使用のない中国郡部の住民8,266人を対象にした疫学調査が注目されています。この種々の常用飲料水のフッ化物濃度と高齢者の骨折に関する研究から、フッ化物濃度の低い飲料水(0.25-0.34ppm)や反対に高すぎる飲料水(4.32-7.97ppm)の常用で骨折頻度が高く、むし歯予防で最も効果的な濃度とされてきた1ppm前後(1.00-1.06ppm)で骨折頻度の最も低いことが判明したのです。しかし、この現象は決して偶然ではないのです。この研究は飲料水中のフッ化物濃度には生理的に最も好ましい濃度が存在することを示したものであり、栄養としてのフッ化物の生理作用を表したものとしてとくに注目に値するものです。
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