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大人と子どもではフッ化物の吸収の度合いが違うようですが、身体に蓄積されても大丈夫なのでしょうか?
私たちの身体は一生涯、適量のフッ化物を摂取し続けたときに最も良い健康状態が得られるとされています。骨格系以外では体内のフッ化物レベルには大きな変動がなく、しかも、多少の過不足があっても問題がないという許容力を持っているのです。
  大人は、骨の成長も止まり、歯の形成も終わっていますから、吸収されたフッ化物の90%以上が尿中に排泄されます。少量のフッ化物は骨に沈着されますが、骨の代謝にともなって前から骨に蓄積されていたフッ化物は血中へと出て行き、骨中のフッ化物は少しずつ入れ替わっているのです。
  子どもの場合は、骨の成長、歯の形成にフッ化物は利用され、排泄されるフッ化物は約60%と大人に比較すると少なくなっています。しかし、成長期を過ぎると大人と同様にほとんどのフッ化物を排泄することとなります。つまり、フッ化物は私たちの身体で成長に合わせて生理的にコントロールされている元素といえるでしょう。
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塩素は沸かすと空中に出てゆくが、フッ化物は水に溶けたままで濃縮されると聞きました。毎日水道水フッ化物濃度調整による沸かした湯を飲んでいると身体に蓄積して害になる事はないのでしょうか?
害にはなりません。
  「濃縮」されるという言葉にだまされてはいけません。煎じ薬のようにグツグツ煮詰めたものを毎日大量に飲むというのならば、フッ化物に限らず、いろんな物質が濃縮されて有害作用も出るかもしれません。しかし、例えば、普通にお湯を沸かして10%ぐらいの水が蒸発したとしても(実際には1、2%に過ぎないが)、1.0ppmのフッ化物イオン濃度は1.1ppmになる程度のものです。
  一般的に言っても、水道水フッ化物濃度調整のような公衆衛生手段には、それほど厳密性が要求されるものではなく、かなり幅のある融通性がなければ採用できないものです。こうした考え方は、ほかのほとんどあらゆる公衆衛生手段についてもいえることで、常識と考えていいでしょう。
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フッ化物は食物や水の中に入っていますが、どれくらいのフッ化物を摂ると害になるのでしょうか?
毎日摂取するフッ化物の量は、年齢や体重によって違います。他の栄養素と同じように、栄養学が進んでいるアメリカやEU(欧州連合)では、許容上限摂取レベルが示されています。以下の表を参考にして下さい。

飲食からのフッ化物摂取量参考値
年齢群 参考体重(圈 至適摂取量(/day) 上限摂取量(/day)
0〜6ヶ月 0.01
0.7
6〜12ヶ月 0.5
0.9
1〜3歳 13 0.7
1.3
4〜8歳 22 1.0
2.0
9〜13歳 40 2.0
10
少年14〜18歳 64 3.0
10
少女14〜18歳 57 3.0
10
男性19歳以上 76 4.0
10
女性19歳以上 61 3.0 10

フッ化物の許容上限摂取レベルは幼児、小児から8歳まで、体重1堙たり1日0.10咾棒瀋蠅気譴討い泙后それ以上の子どもや成人では、もはや歯のフッ素症の心配は無く、フッ化物の許容上限レベルは体重に関わらず1日10咾棒瀋蠅気譴討い泙后
すなわち、8歳までは許容上限レベル以上だと歯のフッ素症の心配がでてきますが、9歳以上では歯のフッ素症の心配は無くなりますが次の骨硬化症が心配されます。こうした意味ではフッ化物摂取は幅広い安全域があるといえます。
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フッ化物洗口や歯磨き剤と水道水フッ化物濃度調整を併用しても大丈夫なのでしょうか?
水道水フッ化物濃度調整以外にフッ化物全身応用を実施していないこと、上手にうがいができるという条件であれば、フッ化物配合歯磨剤を併用することをお奨めします。また、むし歯になりやすい年齢の集団や個人には、さらにフッ化物洗口を重ねて併用することをお奨めします。
  フッ化物の全身応用とは水道水フッ化物濃度調整、フッ化物錠剤、フッ化物添加食塩、フッ化物添加ミルクなどの方法でフッ化物を摂取することであり、適正摂取量がコントロールされているので1つの方法だけを選択します。ちなみに、優先順位が高いのは水道水フッ化物濃度調整です。
  フッ化物の局所応用とはフッ化物洗口、フッ化物配合歯磨剤、フッ化物塗布などフッ化物を歯の表面に作用させる方法のことをいいます。こちらは、作用させた後吐き出すので、摂取される量はごく少量です。
  したがって、局所応用が正しく行える場合(フッ化物の洗口剤や歯磨剤を飲み込まない、フッ化物洗口後吐き出せる等)であればフッ化物の全身応用と局所応用の組み合わせ、また局所応用法同士の組み合わせが可能です。
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フッ化物を併用しない場合の歯磨きやキシリトールによるむし歯予防効果は、それぞれどれくらいあるのでしょうか?
「規則正しい歯磨き習慣によりむし歯が減少するだろう」という期待は妥当と考えられますが、家庭で行っている歯磨き程度では、むし歯が効果的に予防できるという事実はありません。しかし、家庭での歯磨きに2年から3年間継続してフッ化物配合歯磨剤を併用すれば、併用しないときに比べ25から30%のむし歯予防効果が期待できます。
  またキシリトールは、わが国では1997年4月に食品添加物として認可され、砂糖の代用甘味料としてガムなどで広く使用されています。ただしキシリトールは食品添加物として認可された糖アルコールであって、むし歯予防を目的とした医薬品類ではありません。
  糖アルコールにはキシリトールの他、ソルビトールやマルチトールなど代用甘味料はたくさんありまが、これら糖アルコール類はいずれも砂糖と較べて口腔内細菌によって産生される、むし歯の原因となる酸を発生し難い甘味料でありますが、それ以上のものでも、それ以下のものでもありません。以前フィンランドで、日常生活で使用するすべての砂糖の代わりにキシリトールを2年間使用した研究がありました。この研究期間中に、新しいむし歯はほとんど発生しなかったそうですが、これは当然のことで、その効果はキシリトールの効果というより砂糖を使用しなかったことによるものと解釈されています。わが国でも、ほとんど砂糖のなかった第二次世界大戦中の子どもたちは、ほとんどむし歯が発生しませんでした。
  また、日常生活で使用するすべての砂糖の代わりにキシリトールを使用するということ自体が一般には無理なことです。キシリトールは多量に食べると下痢を起こすし、ケーキなどでは砂糖の持つ付形作用(硬さや粘りによって形を整える作用)が必要であり、キシリトールでケーキを造ることは不可能なのです。
  また、現在、日本では砂糖の使用量は一人年間約27圓任△蝓△修糧駘僂惑間約3,000〜5,000円程度であるのに対して、キシリトールは砂糖とほぼ同じ甘さですから、これを仮にキシリトールで摂るとするとその費用は砂糖の10〜20倍になると計算されます。ほとんどガムやキャンデーでの使用に限られる甘味料と考えるべきでしょう。今までむし歯の予防効果が証明されたとする報告論文を元にすると、キシリトールの場合、1日5〜10gが必要です。これをガムで摂るとすると、1日10〜22粒で、年間の費用は9万円〜18万円になります。これに較べて、はるかにはっきりとした虫歯予防効果が立証されているフッ化物洗口での年間費用は数百円から数千円、水道水フッ化物調整では数十円のレベルであり、フッ化物応用はキシリトールに較べて10分の1から1000分の1の経費であるという計算結果がえられます。
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フッ化物とキシリトールやリカルデントとのむし歯予防効果の違いは何なのでしょうか?
再石灰化された歯質を比較すると、キシリトールやリカルデントによる場合に比較してフッ化物による再石灰化は歯のエナメル質に強い耐酸性をもたらします。
1)う蝕予防のメカニズム
  キシリトールは糖アルコールの仲間です。ショ糖と同じ甘さを持ちますが、う蝕原性細菌による糖代謝がおこなわれ難く酸の産生につながりにくいことや、ガムを噛むと唾液がたくさんでることから、結果として再石灰化促進作用が期待されています。
  リカルデントは牛乳たんぱく質(カゼイン)と無機質(リン酸カルシウム)の複合体(CPP-ACP)です。ACPはエナメル質を修復する無機質成分(カルシウムやリン酸塩)であり、CPPは無機質成分を過飽和で高濃度に溶解して安定させるはたらきがあります。この複合体が歯表面を取り囲んでいると、歯垢中の乳酸発酵は中和され脱灰抑制になり、また初期脱灰のエナメル質部分に接していれば再石灰化促進作用が期待されます。
  このようにキシリトールもリカルデントも再石灰化作用があるのですが、その結果生じた再石灰化物は特異的に強化されたものではありません。一方、フッ化物は再石灰化する際に微量のフッ化物が歯の結晶内に取り込まれ、歯の構成成分になるので、生来のエナメル質以上に耐酸性のエナメル質が得られるのです。
  元来、生体での石灰化にはフッ化物の存在は不可欠であり、キシリトールもリカルデントも再石灰化作用を発揮するには口腔に常にある微量のフッ化物の助けを前提にしているのです。キシリトールを開発しているフィンランドではキシリトールの広告ではフッ化物の併用を薦めています。結局、キシリトールやリカルデントは環境対策、フッ化物は環境対策に加えて歯そのものに作用する宿主対策という違いがあるのです。
2)応用方法と費用
  キシリトールもリカルデントも、主にガムに配合して利用されています。したがって効果をあげるためには日常的にガムを食べる習慣につながっていることが前提になります。今までの有効性が証明されたとする報告論文を元にすると、キシリトールの場合、1日5〜10gが必要です。これをガムで摂るとして、1日10〜22粒、年間の費用は9〜18万円になります。また、リカルデントガムの場合は1日4回、20分間噛むことを2週間継続する、となっています。これらを守ることはなかなか難しいことです。とくに甘い物を好む人や唾液分泌が異常に低下した人など、とくにう蝕リスクの高い場合に有効な対策になると考えられます。
  フッ化物、キシリトール、リカルデント、これらにはそれぞれ異なったう蝕予防メカニズムがあり、併用した場合には相乗効果が得られると考えられますが、組み合わせ予防において、実際に有効性が得られる条件や応用方法の特性から考えると、まずフッ化物応用を公衆衛生的に地域社会全体で実施し、追加的にキシリトールやリカルデント含有ガムをとくにう蝕リスクの高い特定の個人やグループに応用する方法が良いと考えられます。
  フッ化物応用はこの数十年にわたる世界中の地域社会単位での実施経験から、その有効性が確認されていますが、キシリトールは人を対象とした調査では、まだ限られた報告例に基づくものです。また、リカルデントについては、動物実験ではう蝕予防効果が確かめられていますが、人を対象とした報告ではう蝕予防効果が直接確認されたものはなく、口腔内実験による再石灰化現象が認められた段階です。
  わが国では1997年にキシリトールが食品添加物として、2000年にリカルデント配合ガムが特定保健用食品として認可されています。
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むし歯はそれほど重大な病気ではないのに、なぜフッ化物を使うのでしょうか?
むし歯は重大な病気です。すべての年齢層で最も多くの人がかかっている疾病であり、莫大な治療出費を余儀なくされているのがむし歯です。したがって、社会的に対処すべき疾患であり、その対策には社会的な対応が求められている疾患です。そして、フッ化物の公衆衛生的応用によって、むし歯の罹患率を確実に減少させることが立証されているのです。
  むし歯そのものによって生命が脅かされることはほとんどありませんが、一度、むし歯に罹ると自然治癒はなく、二度と元の健康な歯には戻れず、その影響は一生涯続きます。とくに、豊かな食生活の確保や生活の質(Quality of Life;QOL)に大きな影響を与えます。歯の抜ける原因のほとんどがむし歯と歯周病ですから、むし歯を予防できれば、むし歯が原因で歯を失うことも予防できるのです。80歳になっても20本以上の歯を残そうという8020運動はご存知と思いますが、自分の歯が多数残っている人ほど活動的で自立度の高い老後を送ることができることもわかってきています。それに、むし歯が予防できれば、むし歯の痛みやむし歯による審美的・心理的苦痛からも解放されるのです。
  このような観点から、むし歯は治療よりも予防が優先される病気といえます。むし歯の予防手段は多数ありますが、現在までの研究成果により、確実な予防効果が証明されたのはフッ化物応用とシーラント処置です。
  日本では、以前から行われてきた歯磨きの励行と砂糖摂取のコントロールについてのキャンペーンが広くゆきわたり、世界でも誇れるほど優秀な国になりました。しかし残念ながら、日本のフッ化物応用の普及程度は、世界に大きく遅れをとっています。今わが国で優先すべきは、歯の対策としてのフッ化物応用です。
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フッ化物という薬に頼るのではなく、歯磨きと甘味制限という絶対に安全で基本的な手段でむし歯予防をしたいのですがどうなのでしょうか?
むし歯予防の基本的手段は、フッ化物応用、甘味制限、歯磨きです。
  歯磨きはむし歯の原因である歯垢を除去するために行い、甘味制限は、口腔細菌の食べ物である蔗糖を制限して、歯垢の形成や歯垢の中でつくられる酸の量を抑えるためのものですが、これらはいずれも歯の環境対策です。一方、フッ化物は歯質の強化により丈夫な歯をつくる宿主対策であり、疫学理論から見ても最も基本となる方法です。
  また、科学の世界では絶対という言葉はありえませんし、フッ化物以外のこれらの基本手段も絶対安全とはいえません。そもそもフッ化物を使用しなければ多くのむし歯は予防できません。このできたむし歯を治療する際に使用する多くの機具、器械の使用や薬品はとても絶対安全とはいえないのです。また、直接的には歯ブラシの使用により長期的には歯が磨耗し、歯ぐきの退縮の原因になります。甘味制限にも栄養的、心理的にはマイナス面が指摘されています。しかし、このことによって歯ブラシの使用をためらったり、甘味制限は行わないほうが良いという人はいないはずです。フッ化物についても同じです。フッ化物利用は十分に研究され、実施に移されてから60年にもなろうとする歴史をもつ効果と安全性の確立された予防手段です。現在の保健医療は、効果や安全性に関して高い根拠の証明が要求されています。これをEBM(Evidence based medicine)といいますが、EBMの点で推奨されるむし歯予防手段は、フッ化物利用とシーラント処置なのです。
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日本の場合のフッ化物濃度に関する水質基準0.8ppmの意味は、フッ化物の汚染度の上限をさすものなのでしょうか?
いいえ、汚染度の意味ではありません。適量のフッ化物は有益ですから、汚染度という表現は正しくありません。この上限値が決められた基準は歯のフッ素症の発生を予防するために決められたものです。
  現在、わが国の水道法により定められているフッ化物の水質基準(0.8ppm)はフッ化物の長期摂取により発生する可能性のある歯のフッ素症防止の観点から決められたものです。したがって、単にその値以下であればよいとする基準であるため、フッ化物によるむし歯予防の利益が考慮されていないのです。米国・環境保護局(EPA)では飲料水中のフッ化物イオン濃度が4ppm以下であれば全身への悪影響(骨硬化症)の心配はないとしています。また、WHOをはじめとする医学専門学会の見解によれば、1ppm程度で生ずるのは軽度の歯のフッ素症のみで審美的にも問題なし、2ppm程度で中程度以上の歯のフッ素症が生ずるが審美的問題のみで全身問題はない、と記されています。なお、日本では沖縄から北海道まで幅広い緯度があり、この条件を考慮した適正濃度の設定が望まれます。因みに、米国における適正濃度は0.7ppm〜1.2ppmとなっています。
  わが国での多くの研究からその至適濃度は地域によって異なり、九州、四国、南西諸島では0.6-0.8ppm、北海道では1.1-1.2ppm、その他本州では0.9-1.0ppmと推奨されています。

日本における推奨至適フッ化物濃度
至適フッ化物濃度 地 域
0.6-0.8ppm 九州、四国、南西諸島
0.9-1.0ppm 本州
1.1-1.2ppm 北海道
Reference:Tsutsui,Sakai et.al.1998

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フッ化ナトリウムは劇物であるといわれていますが、何から作られているのでしょうか?
むし歯予防に調整されたフッ化物(フッ化ナトリウム配合)製剤は濃度によって扱いが異なります。歯磨剤は医薬部外品、歯面塗布法の溶液は普通薬です。洗口法の場合、水に溶かす前の顆粒状洗口剤は「劇薬」に指定されますが、小児が自己応用を行う際の溶かした洗口液は普通薬です。(薬事法第52条より)
  なお、フッ化ナトリウムはフッ化物を含む鉱物から作られます。
  普通薬であるか、劇薬として指定されるかは製剤の濃度によって決まります。
  フッ化物イオン濃度が1%(10.000ppm)以下に調整されたものは普通薬に分類されます。歯面塗布溶液は0.9%F、洗口剤はその10分の1以下(週1回法;フッ化物イオン濃度900ppmF、毎日法;フッ化物イオン濃度200ppmF)の濃度です。よってこれらは普通薬です。しかし、水に溶かす前の顆粒状洗口剤はフッ化物が5%なので劇薬指定になります。用い方によってそれに適した濃度が決められていますが、いずれも口腔内に適用するものは普通薬です。
  フッ化物はフッ化物を多く含む鉱物である蛍石(fluorite CaF2)や氷晶石(cryolite Na3AlF6)から工業的に製造します。また、リン酸肥料製造やアルミニウム精錬過程で副次的にも得られます。
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